世界は言葉でできている
〜コミュニティ運営の物語〜
人は現実をそのまま見ているわけではない。
使っている言葉が、世界の見え方を決めている。
このコミュニティは、現代哲学の考え方を実生活に応用する場として始まった。
毎日のオンラインでの議論。
月に一度の講義。
そして学びを振り返るためのアーカイブ。
形だけ見れば、どこにでもある学習コミュニティだった。
しかし、起きた変化は少し興味深いものだった。
国内でも有名な自己啓発グループで活動していた女性は、自身の使う言語に基づく世界の見え方に気づき、提供するサービスの言語を組み替え売上が大きく伸びた。
単価も上がった。
結果として元のグループの枠には収まらなくなった。
しかし、彼女の仕事はその後も伸び続けた。
WEB関連に苦手意識が強かった中年の男性は、その苦手意識は自身が使う言語の偏りにあることに気づき、小さなWEBマーケティングの取り組みから最初の成功体験を得た。
それまで家計はパートナーの収入頼りだった、一家の大黒柱に。
そして、数ヶ月後にはかつての数倍の収入に変わっていた。
婚活がうまくいかなかった女性は、
「いい女性になれば評価される」
という前提を疑わず、自分磨きに励んでいたが思うようなご縁に恵まれなかった。
女性は自分を磨くのではなく、活動する構造を変えた。
数ヶ月後、結婚してこのコミュニティを卒業した。
大学生の就職活動でも似た変化が起きた。
自己アピールを磨くのではなく、相手が求めている構造を見る。
その結果、難関と言われる業界の企業から複数の内定を得た。
起きた出来事はそれぞれ違う。
しかし、共通していたことがある。
多くの人は、問題を解決しようとする。
しかし、このコミュニティで起きていたのは少し違う変化だった。
問題を解決するのではなく、
問題そのものが消えていく。
問題解決は、対処療法になりやすい。
問題として捉える世界観が、そのまま残るからだ。
すると、同じ次元の別の問題がまた現れる。
しかし、見ている世界が変わると起きることが変わる。
このコミュニティで行っていたのは、特別なことではない。
ただ一つの操作だった。
言葉の再定義。
人は、言葉で世界を理解している。
その言葉の意味が変わると、見えている世界が変わる。
世界が変わると、行動が変わる。
行動が変わると、結果が変わる。
そしてときどき、それまで問題だと思っていたものが問題ではなくなる。
では、
どんな言葉の再定義が世界を変えるのか。
