ブランド戦略④ 社内の合意形成

社会科学

ブランド戦略において「一貫性」は非常に重要なポイントになりますが、多くの企業がブランド構築を失敗する大きな原因の1つに「社内の合意形成不足」があります。

商品開発などは商品企画部などが行うことが一般的でしょう。

しかし、そのサービスや商品を宣伝する宣伝広告部の見解や、直接顧客に売り込む営業部や販売促進部の見解は異なることがほとんどです。

このような部門間で意見の違いによる不和はブランド戦略に限らず、経営者としては頭を抱える問題でもあるでしょう。

特に、会社の命運を握るブランド戦略において、このような部門間での不和が起こらないように社内での合意形成は必須です。

そのための方法が「クロスファンクショナルチーム」の発足です。

つまり、ブランド戦略を考える段階から、商品企画部だけではなく、宣伝広告部や営業部や販売促進部などの関係する全ての部門のキーマンを集めて、議論をして合意形成を行うのです。

たしかに、クロスファンクショナルチームを作って、そこで議論をするのは時間がかかります。

その代わり、決めた後のスピードが速く、部門間の不和によるトラブルも起きにくくなりるため、一貫性のあるブランド戦略が遂行できます。

ちなみに、合意形成で大事なポイントは、いくつか上がったプランの中で何を採用したかより、他のプランを採用しなかった理由を明確にしておくことです。

なぜなら、ブランド戦略を遂行していく上で、全てが順調に進むわけではありません。

問題が発生したときに「なぜ、このプランにしたのか?他のプランの方が良かったのではないか?」というような声が必ず上がります。

その時に、「他のプランは◯◯の理由で採用しなかったのだから、このプランを貫こう」と一貫性を保てますが、理由が明確に残っていないと「やっぱり他のプランの方が良かったかな?じゃあ変えてみよう」と迷走してしまうケースが非常に多いです。

もちろん、他のプランを採用しなかった理由が正しくない場合は、プラン変更をするという選択肢もありますが、たいていの場合はさんざん時間をかけて議論を尽くしたプランの方が正しいです。

また、ブランド戦略を遂行するに当たっては、予め「前提条件」を決めておくことも重要です。

例えば、宣伝広告費はいくらまで使うとか、どれくらいの期間で見切りをつけるなどを決めておかないと、ダラダラを間違ったブランド戦略を続けることにもなります。

市場に対してブランド戦略を仕掛ける前に、まずは社内の合意形成をしっかりと固めておきましょう。

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