ブランド戦略⑤ 販売促進との関係性

社会科学

いくらブランディングをしたとしても、一部の高級ブランドなどを除けば実際に売上を上げるための販売促進が必要になってきます。

しかし、ブランディングと販売促進はそれぞれ目的が異なるため、戦略的に取り組まないと一貫性を損ねてしまいます。

なぜなら、ブランディングは見込み客に知覚価値やイメージを刷り込むことが目的です。
ですから、あまり押し付けがまし表現になりにくいですし、どちらかというとソフトだったり上品なアプローチになります。

それに対して販売促進の場合、売上を上げることが目的となるため、月商、年商と言った時間軸の概念も入ってきます。
そうすると、期間内に売上を最大化するために広告などで「月末のバーゲン」や「歳末の大サービス」と言ったようなちょっと下世話なアプローチになる傾向があります。

もちろん、ルイ・ヴィトンやエルメスなどの高級ブランドであれば、新聞の折込チラシを入れて「今月いっぱい限定で30%オフ」なんていうような販売促進はしませんが、一般的なブランドの場合は見込み客に「買いたい!」というウォンツを喚起するために、売り込み文句を使うことが多くなります。

つまり、市場に対して相反するメッセージを出して一貫性を損ねないように、上手く折り合いを付ける必要があります。

例えば、『ユニクロ』はテレビCMではスタイルの良い外国人を使って、オシャレなイメージを全面に出します。

また、『Life Wear Magazine』というカタログでは非常に芸術的で上品な世界観を市場に訴えています。

これらのブランド戦略に触れることで、見込み客は「ユニクロは安くて高機能で、しかもオシャレ」というイメージを刷り込みます。

そうやって、見込み客にある一定のブランドイメージを持ってもらった状態で、週末の折込広告にバーゲンの広告を入れると、「オシャレなユニクロの服が安く買える」とウォンツを換気して、販売促進につなげることができます。

世の中には様々なサービスや商品が溢れかえってますから、いくら販売促進だけをやっても、あまり名前の知らない会社の商品や、ブランドイメージが浮かばないサービスだと選んでもらえません。

つまり、ブランド戦略は販売促進を成功させ、見込み客を顧客に転換率を高めるための施策なのです。

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