ブランディングの方程式

社会科学

前回の記事『ビジネスにおけるブランドの定義』の復習ですが、
ブランドの要件は

・識別される記号(ロゴやキャラクターなど)を持つこと

・知覚価値をすぐに思い出されること

となります。

そして、
このようなブランドを確立させることを
ブランド戦略やブランディングと言います。

そのために必要な要素が3つあります。

1つ目は、

体験の魅力

です。

当たり前ですがそのサービスや商品が魅力的である必要があります。

2つ目は、

体験の量

です。

体験1回あたりの時間が長かったり、1回の時間は短くても頻度が高いかったりと、サービスや商品と触れ合う量が必要です。

3つ目は、

一貫性

です。

いつも一貫して魅力的な体験をたくさんできることが必要です。
体験量が多くても、その度魅力が変わっていたらブランドとして定着しません。

これら3つの要素をかけ合わせた

体験の魅力 × 体験の量 × 一貫性

がブランディングの方程式となります。

前回の記事でマス広告を打たなくてもブランドが確立されている例で
スターバックスコーヒーを引き合いに出しましたが、
スターバックスコーヒーは常に高いレベルで一貫しているので
マス広告を打たなくでもブランドが浸透していったわけです。

そして、ブランディングをするメリットは3つあります。

1つ目は、

競合のサービスや商品に埋もれない

例えば、
コンビニに缶コーヒーを買いに行った時に
全ての商品を確認してから比較をして買うことより

「コーヒーといえば◯◯」

というような自分のお気に入りのブランドやいくつかの候補があって、
それをスムーズに買うことが多いでしょう。

10種類以上ある缶コーヒーのラベルを全て見て
商品を手にとって内容を確認してから買うことは稀だと思います。

つまり、
消費者の頭の中に入っていることで競合と比べられるまでもなく選んでもらえます。

2つ目のメリットは、

有利な取引条件でビジネスができる

例えば、
コカコーラとプライベートブランドのコーラでは
コカコーラの方が高くでも信頼性があるので買う人が多いわけです。

3つ目のメリットは

リピート率が向上する

例えば、
飲食店なんかで料理やサービスにその時は満足したのに
2回目はまだ訪問していないお店があるはずです。

つまり、
記憶に残っていないということです。

もしそれが
インパクト有るロゴやキャラクターや店名などが記憶に強く残っていれば
何か美味しいものを食べたい時に思い出してリピートする確率は上がるでしょう。

また、
特徴的な記号や知覚価値というブランドがあることで、
人に説明することが容易になります。

「◯◯マークのレストランで◯◯製法の肉を食べたらすごく美味しかった!」

というように人に説明することで口コミも広がりますし、
説明した本人の記憶にも深く刻み込まれます。

これらブランドのメリットが享受できるようになれば、
宣伝広告費などの販促費が抑えられるよになります。

逆に言えば
たくさんの宣伝広告費をかけても
ブランディングができていないと
記憶に残らないため売上に繋がりにくいということです。

よって、
正しいブランディングは利益率の向上にも貢献します。

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