今回は選定したターゲットの本音を突く方法についてお伝えします。
インサイト(本音)にアプローチする方法が2つに分かれます。
1つは
チャンスの喚起
そのサービスや商品を手に入れることで、素晴らしい未来が待っているというアプローチ。
もう1つは、
リスクの喚起
今のままだと悲惨な未来が待っているので、そのサービスや商品を手に入れることで回避しましょうというアプローチ。
チャンス喚起の具体例ですと、『AXE』というボディスプレーは、一時期男性向けボディケアで売上No.1でした。
では『AXE』はどのようにインサイトにアプローチしたかというと、
「男性というのは人種関係なく、今の自分のままでも複数の女性から追いかけられるほどモテたい。」
と言う普遍的欲求にアプローチをするために、AXEのスプレーをするだけでものすごい数の女性から追いかけられるCMを流しました。
それによって、多くの男性の「楽してモテたい」というホンネを突いて大ヒットしたわけです。
逆に、リスク喚起の具体例ですと、『ポリデント』という入れ歯のケア商品は、一時期義歯用剤市場で売上No.1でした。
では『ポリデント』はどのようにインサイトにアプローチしたかというと、
「おじいちゃんおばちゃんは、可愛い孫から嫌われたくない」
と洞察して、CMでは「おじいちゃんお口臭い!」と孫が鼻をつまんで嫌がっている映像を流しました。
つまり、今のままだと口臭が原因で可愛い孫から嫌われて寂しい思いをするというリスクを喚起したわけです。
入れ歯をしているおじいちゃんおばちゃんがターゲットの場合、「入れ歯を綺麗にしているとモテる!」というようなチャンス喚起のアプローチは通用しないでしょう。
こうやって、ターゲットによってインサイトへのアプローチを使い分けることもブランド戦略の一つです。
そして、コアバリュー(商品)やベネフィット(便益)はこのインサイトと連動していないと、意味がないわけです。
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