ブランド戦略③ ニッチ狙いから始める理由

社会科学

ブランド戦略においてどのようなポジションを狙うのが効果的なのでしょうか。

ブランドとして認知され売上が拡大していくのには段階があります。

まず初期段階で狙うべきポジションはニッチ向けのポジションです。

ブランド力を構成する要素を大きく2つに分けるとしたら

魅力 と 差別化

になります。

この2つの要素を両方持てれば、多くの顧客から見て「魅力的で差別化されたサービス・商品」となります。

では、「魅力」と「差別化」どちらも大事ではありますが、まずどちらから追求した方が良いか。

それは「差別化」です。

つまり、「一部の顧客からしか魅力的だと思われていないが、差別化されたサービス・商品」を目指すということです。

初めにコアなファンを創り、そこからファンを拡大していくのです。

もちろん、いきなり大多数の顧客から魅力的だと思われるサービス・商品を狙いたい気持ちもわかりますが、大多数に認知されかつニーズをウォンツを満たすのにはそれなり宣伝広告費や開発費などのコストがかかります。

ですから、まずはニッチ層からの支持を狙って、差別化に力を入れる方がブランドの成長ステップとしては合理的です。

そして、徐々に支持層が広がり多くの顧客から見て「魅力的で差別化されたサービス・商品」となるわけです。

しかし、この段階になるとライバル企業から真似をされてしまいます。

そうすると、多くの顧客から見て「魅力的ではあるが他と変わらないサービス・商品」になってしまいます。

iPhoneの例がとてもわかりやすいと思いますが、iPhoneはリリース当初は一部のクリエイティブなデジタルガジェット好きしか持っていませんでした。

しかし、徐々にiPhoneを持つことがカッコイイとされて日本においてはスマホシェアの大多数をiPhoneが占めました。

その後、Android端末にiPhoneのデザインや機能を真似されて独自性を失い、今ではiPhoneより機能が優れたAndroid端末もたくさん出てきました。

当然、今ではシェアは半分を切っています。

こうやって、ブランドも企業の成長と同じように創業期、成長期、安定期、衰退期と成長カーブを描くわけです。

この流れは避けることは難しいですが、シェアを広げるステップとしてまずはニッチを狙うのが鉄則ということです。

差別化を別の観点から見てみると、テレビ市場は昔、ブラウン管テレビのみでしたが、その後液晶テレビとプラズマテレビの覇権争いになりました。

ブラウン管テレビ時代のブランドリーダーはソニーでしたが、液晶テレビと言えば「アクオス」となりました。

そのシャープはブラウン管テレビ時代にはソニーよりもマイナーなブランドとして安売りをしていたわけです。

しかし、液晶テレビと言う新しいジャンルにいち早く飛び出すことで、液晶テレビの代名詞になりトップブランドの地位を勝ち取りました。

つまり、同じテレビ市場でもブラウン管テレビから液晶テレビに差別化をしたことで、全く新しいカテゴリーとして認知され、その新カテゴリーで逆転することも可能なのです。

ですから、「新しいカテゴリーを創る」という意気込みで差別化を考えることは非常に有効な戦略になります。

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