市場の定義が決まったら、次はその市場のターゲットに対してどのような価値を提供するのかを定義していきます。
そこでまず初めに、今すぐに提供できる価値だけではなく、将来的にありたい姿を描く必要があります。
言い方を変えるとブランドビジョンです。
このブランドビジョンは将来的なものなので、今現在はそれが伴っていなくてもそこから逆算した語るべき今の姿も同時に考える必要があります。
そして、将来的なビジョンと今提供できる価値を語る上で重要なのは、企業理念などの企業目線での価値ではなく、お客さん目線でのお客さんにとっての価値をベースに考えることです。
例えば、「地域一番店になります!」や「居酒屋運営を通じて地域文化に貢献する」というビジョンは、企業にとっては魅力的かもしれませんが、お客さんにとっては地域一番店だろうが三番店だろうが、自分にとって魅力的かどうかの方が大事です。
お客さんにとっての価値を考える上で、2つの軸があります。
それは「実態の有る無し」と「機能的か情緒的か」という軸です。
「実態があって機能的」であるものの価値は「実利価値」と言います。
例えば、車なら家族全員が乗れて荷物もたくさん載せられるファミリー向けワゴンなどは、実態もあり、機能的です。
「実態がなくて機能的」であるものの価値は「保証価値」と言います。
例えば、同じく車で言うなら「壊れにくい」などは、耐久性という性能に物体はありませんが、機能的な価値があります。
「実態があって情緒的」であるものの価値は「評判価値」と言います。
例えば、例えば最新の高級ブランド品などは、身につける実態があり、それを持っていると「お金持ち」だと思われたり「オシャレ」だと褒められたりします。
「実態がなくて情緒的」であるものの価値は「共感価値」と言います。
例えば、動物愛護のボランティア団体の会員であることは実態はありません、しかし動物を大切に守っているという意味で同じ動好きの人たちからは一目置かれたり共感してもらえたりという価値があります。
これら4つの価値をどのように組み合わせて提案していくかを考えるのです。
これは提供するサービス・商品の内容、狙っている市場の環境によって、必要な価値は変わってきます。
例えば、工場にある機械の洗浄液を売るのであれば、情緒的価値よりも機能的価値を訴えていった方が良いでしょう。
しかし、服をなどを売るのであれば、機能的な差はそんなに出せませんので、オシャレに見えるとか、知的に見えるとか、情緒的な価値を訴えていった方が良いでしょう。
このように、競合と差別化して、より自社の強みを活かす意味でも、どのような価値を訴えていくかをしっかり定義することは重要なのです。
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