ネガティブ思考の重要性

人文科学

自己啓発や成功哲学の業界に限らず、一般社会生活においてもポジティブ思考は良いことで、ネガティブ思考は悪いことという価値観が定着しています。

でも、それは本当なのでしょうか?

このことを理解できてるかどうかが、目標達成に大きく影響してきます。

実はポジティブ思考は万能ではなく、使い方によっては目標達成の弊害になることがあるのです。

逆に、ネガティブ思考を上手く使うことで目標達成の確率が高まります。

目標達成を分解すると、大きく分けて2つの別れます。

1つは「結果」、もう1つは「プロセス」。

ここで重要なのは、「結果」に対してはポジティブ思考であるべきなのですが、「プロセス」のおいてはネガティブ思考の方が遥かに目標達成しやすいのです。

ニューヨーク大学の心理学部教授ガブリエル・エッティンゲンが行った実験では、「達成できる」と信じることと、「容易に達成できる」と信じることの違いを明確に示しました。

痩せたいと願っている肥満の女性を対象にダイエットプログラムに取り組ませます。

その結果、「ダイエットに成功する」と信じていた女性は、「ダイエットに失敗するかもしれない」と考えていた女性より平均で12キロも多く減量できていました。

このことから、「成功する」と信じるポジティブ思考が効果的であることがわかります。

ただし、被験者の女性にもう1つの質問をすると、非常に興味深い結果が出たのです。

「ダイエットの大変さ」について「とてもきつい」と考えていた人は、「簡単だ」と考えていた人よりも平気で11キロも多く減量できていたのです。

つまり、「ダイエットが成功する」という「結果」については「成功する」とポジティブ思考をして、「ダイエットの大変さ」という「プロセス」例えば、甘いもの誘惑に打ち克つことや、運動を継続することなどについて「甘くはない」とネガティブに考えていた人の方が、遥かに高い成果を上げられたのです。

いわゆるネガティブシュミレーションができているか否かが、成果に大きく影響したわけです。

これは、ダイエットだけでなく、学生の就職活動においても、「自分はちゃんと望んだ会社に就職できる」と信じているポジティブ思考の方が成功率は高いのですが、プロセスにおいて「でもそんなに甘くないからちゃんと対策を取ろう」とネガティブ思考をした人と、「大丈夫!なんとかなるさ!」とポジティブ思考をした人では、成功率に大きな差が生まれました。

これは、ビジネスであれ、恋愛であれ、子育てであれ、結果については成功を信じ、そのプロセスにおいては様々な障害があることをネガティブに予測し対策を準備する人が得たい結果を得ているということです。

「結果にはポジティブ思考」「プロセスにはネガティブ思考」と適切に思考を切り替えて、あなたの目標を達成しましょう。

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